逆流性食道炎とは?
「胃酸の逆流などによって食道が炎症を起こす病気」を『逆流性食道炎』と言います。胃には普段、食べた物を消化する為の胃酸を分泌する機能があり、これにより飲み込んだ食べ物を柔らかくして腸へ送る働きをしています。胃には胃酸から胃自体を守るための粘膜が存在しているのですが、食道の粘膜はこの胃酸から食道を守ることができません。その為、胃酸がの逆流が起こると食道が荒れてしまうのです。他にも、食べ物が食道内に留まり続けて起こる場合などもあります。
逆流性食道炎が口臭の原因?
多くのウェブサイトで「逆流性食道炎になると口臭がきつくなる」といった記載がされています。しかし本当は逆流性食道炎自体が口臭を引き起こしているのではなく、逆流性食道炎を引き起こす原因が口臭と深く関係しているのです。
なぜ逆流性食道炎で口臭の有無がわかるのか?
逆流性食道炎が起こっている時、身体の中では「食道のぜん道運動の低下」「下部食道括約筋の緩み」「腹圧の上昇」「胃酸の過剰な分泌」「胃のはたらき(排出機能など)の低下」が起こっています。この中で、食道と胃の接続部分にある「下部食道括約筋」は通常、胃から食道に食べ物などが逆流することを防ぐ為、食道から胃に食べ物などを送る時以外は閉じています。その為、正常に働いている場合には、胃から匂いがあがってこないようになっているのです。ところがこの括約筋の働きが弱まることで、胃から匂いがあがりやすくなってしまい、結果として口臭がきつくなってしまう、という訳です。
まとめ:逆流性食道炎が口臭の直接の原因ではない
以上からわかるように、逆流性食道炎というのはあくまで食道の炎症であって、炎症を起こしているから口臭がきつくなっている、ということではないのです。逆流性食道炎を起こしてしまっていると、その原因の中に口臭をきつくする身体の異常が含まれている為、口臭がきつくなっている可能性がある、ということに過ぎません。