知覚過敏にも虫歯にもフッ素配合の歯磨き
フッ素配合の歯磨き粉で歯磨きをすると歯の再石灰化が促進される、という話を耳にしたことがあると思います。虫歯治療中などで冷たい飲み物がしみるという経験、みなさん一度はあるのではないでしょうか。
虫歯以外に歯周病に伴う知覚過敏も、同じくしみて痛いです。そんな知覚過敏の場合にもフッ素配合の歯磨き粉がオススメ。歯医者さんでもフッ素を塗ってもらうことができます。虫歯も知覚過敏も歯のエナメル質が削られ、神経がある象牙質がむき出しになることで痛みを感じてしまうのです。フッ素による再石灰化の働きで、エナメル質を補修してくれ、痛みを和らげてくれます。
フッ素とは
よく目にするフッ素。どんな成分なのでしょうか。自然界では岩石などにしか存在せず、微量に海水(1.2~1.4ppm)、海草(2.3~14.3ppm)、こ魚(8~19.2ppm)、お茶(0.5~1.0pp,)などに含まれています。また、ごく微量ですが私たちの骨や歯にも存在します。
フッ素の効果は?
1・歯を強くしてくれます
歯の表面のエナメル質を、食べ物などの酸で溶けることから守ってくれます。
2・口腔内の細菌の働きを弱める効果も
フッ素の抗菌作用が口腔内の細菌を抑えて、プラークを作りにくくします。
3・歯の再石灰化
虫歯になりかけた歯をフッ素の力で修復します。
フッ化物濃度はどのくらいがいいの?
2017年3月17日に厚生労働省が、歯磨き粉などに含まれるフッ化物配合濃度を”1,000ppm以下”から”1,500ppmまで”に上限を引き上げました。欧米諸国では1,000〜1,500ppmの薬用ハミガキが一般的でしたが、日本では1,000ppm以下が一般的でした。フッ化物濃度についてはネット上で賛否両論ありますが、歯磨き粉の選び方にも大きなポイントになるかもしれません。
年齢別の推奨フッ素濃度
年齢によって使用するフッ化物濃度が定められていますので、使いすぎないようにしましょう。特に小さなお子さんには使用を控えた方が望ましいです。
年齢 | 使用量 | 歯磨き粉のフッ化物濃度 |
歯の萌出〜2歳児童まで | 豆粒大 | 500ppm(使用を控えた方が望ましい) |
3〜5歳 | 5mm以下 | 500ppm(使用を控えた方が望ましい) |
6〜14歳 | 1cm程度 | 1,000ppm |
15歳以上 | 2cm程度 | 1,000ppm |
フッ素歯磨き粉の使い方
フッ素配合の歯磨き粉を使う場合、歯磨き後は少量の水を口に含み5秒程度で1回すすいでください。フッ素を歯の表面に留めておくイメージです。
フッ素配合のオススメ歯磨き粉
コンクール・ジェルコートF
歯科医も推奨する歯磨きジェル「コンクール」。ジェル状の歯磨き粉で高い殺菌能力が特徴です。フッ素を950ppm配合。虫歯予防や虫歯治療の方にもオススメです。
チェックアップルートケア
フッ素を1,450ppm配合した歯磨きジェルで、低研磨、低発泡が特徴です。すすぐ際は少ない水で済みます。
クリニカアドバンテージ
フッ素を1,450ppm配合した歯磨き粉で、就寝前に使用することで歯の表面をコーティング、翌朝までとどまります。エナメル質を修復し再石灰化、歯質を強くして虫歯の発生と進行を防ぎます。
バトラーエフペーストα
歯茎が下がってむき出しになった象牙質の根元や、歯の詰め物などの隙間にたまる歯垢を除去し、虫歯になりにくい口腔環境を整えます。フッ素1450ppm配合。
歯医者でフッ素塗布
歯科医院でもフッ化物溶液やジェルを塗布する場合があります。主に1歳時の乳歯むし歯予防や、大人の根面むし歯の予防などで塗布します。また虫歯ではなく知覚過敏などの症状においても、医師の判断でフッ素を塗布することがあります。塗布した後はうがいや飲食を30分間しないよう指導されます。年に2回以上の定期的な実施が効果的です。
歯医者でのフッ素塗布料金
基本的には保険適用外となり、500〜2,000円程度です。ただし13歳未満で虫歯治療中などのお子さんには保険適用になるケースもあります。かかりつけの歯医者さんにご確認ください。