唾液の種類
時に口の中を潤し、時に食べた物を飲み込む手助けをしてくれる『唾液』。サラサラしている時もあればネバネバしている時もありますよね。実はこの”サラサラ系”と”ネバネバ系”の2種類の唾液は、それぞれに特徴や成分の違いがあるのです。
では何が違うのか?今回は、それぞれの唾液の違いや役割などについてご紹介します。
唾液の働き
唾液には様々な働きがありますが、なんとその種類は10種類以上!具体的にご紹介します。
作用 | 主な成分 | 説明 |
潤滑 | ムチン | 咀嚼、嚥下、発生を容易にする |
保護 | ムチン | 粘膜や歯の表面を各種刺激から守る |
洗浄 | 微生物、異物、食物残渣当を嚥下により洗浄する | |
抗脱灰 | カルシウムイオン リン酸イオン 高プロリン蛋白 スタテリン |
歯面の再石灰化を促す
ハイドロキシアパタイトに結合し、歯面の脱灰を防ぐ |
緩衝 | 重炭酸イオン リン酸イオン |
酸・アルカリに対する中和作用 |
微生物に対する機能 | リゾチーム ラクトフェリン ペルオキシダーゼ ヒスタチン デフェンシン クロモグラニンA 分泌型IgA |
細菌、真菌、ウィルス等に対する抗微生物活性により細菌の増加を抑える |
味覚 | ガスチン
亜鉛イオン |
亜鉛イオンが味蕾の味細胞の成長、発育を助ける 唾液が食物中の味成分を溶解して味覚の発現を助ける |
消化 | アミラーゼ リパーゼ |
デンプンを分解する 脂肪を分解する |
食塊形成 | ムチン | 食片を凝集性のある塊にまとめる |
粘膜修復 | 上皮成長因子 神経成長因子 |
傷の治癒を促進する |
老化防止 | パロチン | 成長ホルモンの一種 |
唾液の分泌の違い
唾液は「唾液腺」という所から分泌されます。唾液腺には「耳下腺(じかせん)」「顎下腺(がっかせん)」「舌下腺(ぜっかせん)」の3種類があり、それぞれで分泌する唾液の種類が異なります。
「耳下腺」からはサラサラの唾液が、顎下腺からはサラサラとネバネバの2種類が、舌下腺からはネバネバの唾液が分泌されるようになっています。
サラサラ唾液とネバネバ唾液の特徴
サラサラの唾液は副交感神経が優位の時に分泌されます。リラックスしている時や寝ている時、食事中に分泌されるのはこの唾液です。
ネバネバの唾液が分泌される時は交感神経が優位になっています。ストレスを感じている時や緊張している時に分泌されます。
サラサラ唾液とネバネバ唾液の役割の違い
サラサラの唾液は「口内の洗浄」や「食べ物を飲み込み易くする」といった効果があります。ネバネバの唾液は細菌を包み込んで身体が吸収しないようにするといった効果を持ちます。
サラサラ唾液とネバネバ唾液の成分の違い
サラサラの唾液には水分、イオン、唾液アミラーゼが多く含まれます。ネバネバの唾液は水分が減り、ムチンが多く含まれます。アミラーゼはタンパク質を分解することで食べ物を柔らかくして消化を助ける効果があり、ムチンは食べ物を塊にして飲み込み易くしたり、粘膜を保護するという効果があります。
2種類の唾液のまとめ
唾液はそれぞれに役割があり、分泌のバランスも重要です。現代はストレス社会とも言われますので、ネバネバの唾液が増えすぎないように水分補給などに気を付けながら、唾液の分泌バランスをとっていくようにしましょう。
唾液の分泌には「水」の補給がオススメ!
唾液の主成分は水で、ほとんど水で構成されている程です。唾液の分泌を促したい人は、水分補給、特に「水」をこまめに摂るようにしましょう。