デンタルフロスとは
”デンタルフロス”という言葉を聞き慣れない方もいるかと思います。<デンタル=歯の><フロス=糸>という意味で、日本では、”小林製薬の糸ようじ”がTVでCMも流しておりポピュラーなのではないでしょうか。アメリカでは、歯の病気等が原因で死に至ることもあることから「floss or die(フロスを使うか、死か)」というキャンペーンが展開される程、デンタルフロスの使用が奨励されていると言います。歯と歯の間の汚れを取ると言われるデンタルフロスについて、実際どの様なものなのか、筆者が実際に使用したうえでのレビューなどをお届けします。
デンタルフロスの種類。ワックス、ホルダーとは?
今回はジョンソン&ジョンソン社の『REACH』のワックスタイプを使用しました。デンタルフロスには、”持ち手がついているもの”と”持ち手がついていないもの”があり、今回のタイプは持ち手がないタイプです。持ち手があるタイプですと、F字型とY字型というものがあります。どれを使うかは個人の好みや慣れ、部位によっても異なるので一概にどれがオススメかは断定が出来ませんが、一般的に持ち手がついていない糸のみのタイプの場合は慣れないと使いづらい点があるものの、金額的には安く抑えることが出来ます。また、持ち手がないタイプは”ワックス有り”と”ワックス無し”にも分けることが出来ます。ワックスがついているとフロスの滑りが良くなる為、歯と歯の間に入れる時にも比較的すんなりと入ります。ワックスがついていないタイプの場合は、歯と歯の間の歯垢などへの引っ掛かりがしっかりとしますので、より効果的に歯間の汚れの除去が出来ると言われています。これも、どちらを使うかは個人の好みなどがありますので、ご自身でどのタイプにするかを決めれば良いと思います。ちなみに筆者は日頃からワックス有りの持ち手がないタイプを使用しています。
持ち手のないデンタルフロスの使い方
持ち手がないタイプの場合は、上記の写真のようにケースの中にフロスが収納されています。ケースの形状はメーカーによって様々です。ケースから30~40センチ程フロスを引っ張り出してケースの上部にある金具の部分でカットします。カットしたら左右の手の中指にフロスを巻き付けて、指と指の間に10センチ程のフロスを巻き付けずに残しておき、前歯や奥歯、上か下かなど、歯の位置によって左右の指でフロスを操りながら歯間の清掃をしていきます。具体的には、歯と歯の間にフロスを入れて歯のそれぞれの側面に押し当てつつ、のこぎりを引く要領で動かしながら徐々に上もしくは下に動かして抜き出して行きます。フロスは歯間を3箇所程清掃したら、巻き付けている糸を引き出して位置を変えながら使っていくことで、切り取ったフロスをまんべんなく使うことが出来ます。全ての歯間の清掃を終わったら、口をゆすいで終了です。
デンタルフロスの使い方動画もあわせてご参照ください。
デンタルフロスの臭いへの効果
一説によると、歯ブラシでのブラッシングによる歯垢の除去効果は60%程度だと言われており、そこにデンタルフロスでの清掃を加えることで、歯垢の除去率は80%程度まで上昇すると言われています。筆者もデンタルフロスを使用していなかった頃、ふと思い立って歯科医院に行きデンタルフロスの使い方を教わったことがあります。その時初めて歯科衛生士の方にデンタルフロスを使っての歯間清掃をしてもらったのですが、フロスを入れて引き抜いた時に感じたにおいは、なかなか強烈なものがありました。これまでデンタルフロスを使ってこなかった為に、歯間にこれだけの汚れが溜まっていたのかと思った程です。普段からブラッシングは割と意識的に歯と歯茎の間なども細かい動きで磨くことを心掛けていましたが、それでもこれだけ溜まっていましたので、多くの方は同じ位かそれ以上の効果がデンタルフロスを初めて使った際には感じられるのではないでしょうか。今でも、ブラッシングをした後にフロスを使うと詰まっていた物が取れたりしますので、やはりブラッシングだけではケアしきれていないと実感します。
デンタルフロスの使用頻度
デンタルフロスの使用頻度ですが、筆者は夕食後に1回、つまりは1日1回行うようにしています。忙しい朝は他に優先することがあるかもしれませんし、昼は出先やオフィスなどにいるでしょうから口を開けてフロスをするというのもはばかられると思います。夕食後でしたら、その日1日で詰まったものを取るタイミングにもなりますし、就寝中に磨き残しによって虫歯などの原因菌が繁殖する可能性を少しでも下げられるを思われる為、このタイミングでフロスを使うのがオススメです。
デンタルフロスのまとめ
デンタルフロスは、使おうと思うと「痛そう」「歯が抜けそう」「難しそう」という感想を持たれる方もいるようです。実際、フロスの使い始めは歯茎から出血することもありますし、慣れないとタイプによってはなかなか上手く使えないこともあります。しかし、歯茎からの出血は歯肉炎によって歯茎が柔らかくなっていることからフロスが食い込んで起こる現象で、汚れを除去することで歯肉炎が治り歯茎が引き締まると出血も徐々になくなっていくと、歯科衛生士さんも仰っていました。予防歯科の先進国のスウェーデンではフロスの使用率は50%位にもなるそうですが、日本では20%程度だそうです。虫歯や歯周病の予防の為にも、デンタルフロスは毎日の使用がオススメです。